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鶏飼育記~トマと人間の攻防

2014.5.19

アカネです。

前回の鶏飼育記「雄鶏、食べたい」から随分時間が空いてしまいました。誰も気にしてる人なんておらんろ~のほほ~んって感じでした。でも職場のブログで勝手に連載を始めたんですから、一応続きを書かなければいけませんよねってことで、続きです。

 20140519

      (サンプル画像)

 

前回、鶏を殺戮する恐ろしい生き物、“とま”のことを書きました。鶏の天敵の中には、一晩で鶏舎を全滅させるほどの凶暴な野生動物がいるのです。高知では、このような殺し方をする害獣を“とま”とか“とまこ”と呼んで恐れているのです。

 

雄鶏がとまに襲われ、私たちで息の根も絶え絶えの雄鶏を絞めて美味しくいただいたわけですが、実はどこからとまが入ったかわかりませんでした。鶏小屋の扉はすのこに金網を張ったもので、扉の一番下の木と木の隙間かなぁと思いました。けれどその隙間も、細い蛇が入れるかどうかの大きさですし、地面を掘った形跡もないので、ピンとは来ませんでした。私たちは扉の下に、大きさがぴったりの柱ほどの太さの角材と、ブロックを置いて、眠りにつきました。

 

その晩、つまりとまの襲来の次の晩ですが、0時過ぎに再びけたたましい鶏の悲鳴が!

とっさに飛び起きて鶏小屋に駆けつけるも、何も居ない。小屋の外を歩いていた猫か何かに後藤さん(あ、雌鳥の名前です。後藤もみじという種類なんで。)が驚いたのか?

 

再び寝に入るも、今度は2時ごろ三度(みたび)悲鳴が。それには夫が気づき行ってみるも、やはり何もいない。

その朝後藤さんの無事な姿を認めてホッとするも、巣箱に三つあった卵が消えていました。一つは騒ぎの中割れてしまったようで、巣箱に殻がありました。やはり何者かが入ったのは間違いないのです。けれど、どこからか解らないのです。

 

後藤さんは卵を産むために改良されまくった種類で、毎日一つ卵を産みます。雄鶏の精子が後藤さんの中で一週間は生きているので、どうにか温めてもらわなければなりません。だから私たちは卵をとらないで、巣箱に残していたのです。

 

しかし、その日から、日中は確認した卵が次の朝には消えているという、奇妙なことがおこり始めました。「ストレスで後藤さんが食べてるんじゃないの。そういう鶏もおるって聞いたで。」と夫が言いますが、私は違うと断言しました。殻がないからです。後藤さんが止まり木で寝ている間に、音もなく忍び込んでいる卵泥棒がいるのです。

 

気になった私は、もう一度鶏小屋を確認してみました。

すると、北側の壁際の金網が、内側に曲がっていることに気づきました。まるで外側から曲げたように。試しに引っ張ってみますと、金網はガバとたわみ、大きな隙間ができたではないですか!!

「ここだったんだ!!」

見た目は異常が無さそうだったので全然気づかなかったのです。そしてもう一箇所、金網がたわむところを発見したので、ストローファームには遅刻の連絡を入れて、余っていた木を当てて修理しました。きちんと作ってあると思っていた鶏小屋は、藁の家同様でした。私たちは、ものすごく危険な環境で鶏を飼育していたのです。しかもそれに気づいたのは、雄鶏が犠牲になった後でした。

 

鶏舎を修繕しても、不安はつきません。

とまは餓えていて、目の前にご馳走がある。あと少しで手が届きそう。やつらは根性があり、夜中試行錯誤する時間が与えられています。どんな裏をかいてくるんだろう。

何よりも驚いたことが、虐殺の限りを尽くすと思っていたとまが、こんなやり方で害を与えてきたことです。とまは鶏を襲うよりも、巣箱の卵を狙ったほうが安全で確実だと考えたのでしょう。

 

次の日、いつもの場所から入れないと知ったとまは、扉の下の角材を置いてある土を掘って、卵を盗み出していました。私はその夕方、大きな板を角材の横に敷いて、土を掘れないようにしました。

次の日、とまはその板を動かして、穴を掘っていました。

明らかに私よりもとまの方が、生き物としての格が上でした。私は絶望感と無力感でいっぱいになりました。

 

そして、私の半ギレで嘆く姿に苛立った夫が、セメント工場からテストブロックと言われる円柱形のブロックをもらってきて、レンガやテストブロックや石など、扉の下に深く埋めてくれました。50センチ以上掘り、水道管が出てきてもうこれ以上掘れないというところで、レンガやブロックを埋め、深くて分厚い、強固な壁を扉の下に築いたのです。

 

まさに鉄壁の護り!

難攻不落!!

とまよ、破れるものならこの護り破って見せよ!!!

ア~ッハッハッハッハ!!!!

 

私はリアルに高笑いしました。

 

次の日。

とまは、掘っていました。

けれど、卵は無事でした。とまは途中で諦めていたのです!

 

 

こうして、後藤さんはやっと安心して暮らせるようになりました。とまは何日か悔しがって鶏小屋の周りを掘ったりしていましたが、すでに鶏小屋の周りはしっかりガードしてあったので、ついに諦めました。

きっととまも、身重か子育ての真っ最中で、何が何でも栄養のあるものを手に入れたかったんでしょうね。

 

雄鶏が死んでからすでに10日、巣箱にある卵は4つ。受精卵かどうかは非常に怪しい。後藤さんは温める気配すらありません。

人の手で、奇跡を起こせるのでしょうか。

 

 

(しつこく続く。)

 

山のくじら舎 http://yamanokujira.jp/