にかわのお話
2013.9.30
アカネです。今日は今秋初めてのあけびを食べました。山はすっかり秋支度ですね。
今日はにかわのお話です。
ある日の作業中。
ベテランスタッフのM保さんが、瓶に入った蜂蜜色の液体を、割りばしですくい取りながらおもちゃに塗り、張り付けようとしていました。
最初は亜麻仁オイルを塗っているかと思いましたが、「にかわ」だと言います。聞きなれない言葉に、瓶を手に取り、臭いをかいでみました。琥珀色のねっとりした液体、いかにもいいにおい・・・と思ったのですが・・・。
臭いというのは一番原始的な感覚で、脳と直結していると言います。臭いをかいだ瞬間、何の臭いか判断する前に、その臭いと関連する記憶が一気に思い出されるのです。
私の脳に渡来した記憶は、昔ラーメンスープを作ったときの、鍋に大量に入った豚骨。それから、道路わきで倒れていた狸をエプロンに包んで草むらに逃がしてやろうとしたときにエプロンについた、狸の臭い。
・・・要するに、獣の臭いでした。(もちろん乾くと臭いはなくなります。)
それもそのはず。
にかわとは、ボンドの代わりに使う天然素材の接着剤で、材料は動物や魚の皮や骨からできています。つまりコラーゲンですね。さらに純度を高めたものが、食用のゼラチンです。
にかわは、接着剤としての他に、絵具にも使われています。古代壁画でも使われているほど、歴史の古いものです。
にかわの特徴は、強力な接着力。
扱いは難しくて、温度が低いとすぐに固まってしまうので、素早く塗らなければなりません。
相反するもう一つの特徴は、はがしやすいということ。50℃前後の熱を加えると溶けますし、水に浸けても溶けてしまいます。ですから、あまりに暑い場所に置いたり、水の中に入れたり・・・というようなことは避けてください。
M保さんは、普通はボンドを使うところを、にかわを使っておもちゃを接着しようとしていたのでした。それは、化学物質に大変過敏なお子さんを持つお客様からオーダーされたものでした。
ストローファームのお客様の中には、化学物質過敏症の方もいらっしゃいます。子供に安心して遊んでもらいたい、というのはどのお母さんにも共通する願いです。でも、世の中にゴマンとあるおもちゃが、自分の子供にとって安全でなかったら・・・。
そんなお客様が、数あるおもちゃの中から、ストローファームを探し当ててくださり、そして選んでくださったのです。とてもありがたく、誇らしいことです。
現在ではなんらかのアレルギーがある人は珍しくなくなりました。一人ひとりの声に応えられるよう、これからもおもちゃ作りに向き合っていくつもりです。


