水切り瓦
2013.11.9
こんにちは、アカネです。
みなさんのお住まいの地域では紅葉はもう始まっていますか?今年は秋になっても暖かいので、美しい紅葉が見られるのでしょうか。少し心配です。
今日は高知県によく見られる建物を紹介いたします。
高知県では、このように白壁に瓦をつけた民家がとても多いんです。
子供の頃から不思議に思っていました。
雨をよけるでもなし、日陰になるでもなし、風よけとも関係なさそうな、この瓦は何ぞや。
この瓦、「水切り瓦」といいます。由来は、昔屋根の谷になる部分に敷かれていた瓦だそうです。
雨の多い高知で、雨から家を守るための知恵なのでしょう。確かに水切りのおかげで、台風などの大雨の時には、家の壁に水のシールドのように滝ができます。その分家の土台は守られているのかもしれません。
でも、ここからは私の意見ですが、水切り瓦の一番の役目って、やっぱり見栄えなんじゃないでしょうか。白壁に、打ち寄せる波のような瓦の列。どっしりとした重厚感はお城を連想させます。家ごとに水切りの形が違っていて、それもおもしろい。瓦を多く使える家ということは、それだけ財力があることの証明にもなりますよね。
何しろ本当に家を雨から守りたかったら、地面に面した土台の上に水切りをつけた方が確実でしょうから。それに水切り瓦をつけた新築の家なんてほとんどありませんし、雨が多いからといっても絶対に必要なしかけでもないのです。
この水切り瓦が高知ならではというのも、県外の友達に言われるまで気づきませんでした。今では水切り瓦の連なる風景、大好きです。
この水切り瓦、左官職人の知恵と技術がぎっしり詰まっているんですよ。水切り瓦自体の防水に、すごく手間がかかるんだそうです。
高知県では田舎の方に行くとこういう民家はたくさん残っていますが、中でも水きり瓦の風景が美しいのは、香南市の赤岡町(ここには土佐藩主山之内家に献上していた、江戸時代から続くお菓子屋さんがそのまま残っています)、それとストローファームのある安芸市の土居だと思います。
土居には武家屋敷がいくつも残っていて、漆喰・瓦・土塀・水路など、趣きある風景の中を歩くことができます。一般開放している武家屋敷にも、無料で入ることができるので、おススメですよ^^*あまり観光雑誌には載っていませんが(載っていたとしてもわずかなスペースなので気づかないかも)、穴場だと思います!機会があれば赤岡や土居の町並みも記事にしたいと思いますので、ときどきブログを覗きに来てくださいね^^
高知の食べ物②~かし豆腐
2013.11.8
こんにちは、アカネです。11月になりました。月日の経つのは本当に早いですね。
クリスマスの計画は立てていらっしゃいますか?ストローファームの商品をご検討の方、ぜひ早い目の予約をお願いします♪
先日、安芸駅の産直市場で珍しい食べ物が並んでいました。
それがこれ、「かし豆腐」です。
今回は高知の伝統食、「かし豆腐」について書きます。(かしきり豆腐ともいいます。)
伝統食とはいっても、それほど有名ではありません。今や作れる人がごくわずかになってしまいましたし、もともと山の救荒食糧だったからです。
「かし」とは、どんぐりの種類の一つです。その中でも食用になるのは、イチイガシ、ウバメガシに限られています。
このお豆腐の作り方は、
・山で採ってきたカシの実を天日で乾かす。
・ 乾くと殻が割れるので、殻をむく。
・ その実を4~5日間水にさらし、タンニンをぬく。
―ここまでが下ごしらえ―
・ ミキサーに入れて粗引きをする。
・ それを水につけてさらに渋抜きをする。
・ 水が澄んでくるまで時々水を替える。
・ それをまたミキサーで粉状に挽く。
・ 布で絞る。
・ 鍋に絞り汁と同量の水を入れて火にかけ、ゆっくりとかき混ぜながら煮る。
・ 型に入れて完成。
自然に固まるのは、カシ(どんぐり)のもつでんぷんのおかげ。
もともと「uru/uri」という音は、でんぷんが豊富な食料を表す名前だったそうです。例えば、ユリ、クリ、ドングリ、うるち米、くるみなど・・・今でもいくつかは残っていますね。
さて、このかし豆腐、なんと天日干しから出来上がりまでにだいたい1週間以上かかるんです。この手間の多さ。まさにスローフードですね。
さて、気になる味は。
スプーンですくった感触は、寒天のようです。ぷるんとしていて、どっしりもしていて。香りはありません。
味はなんとも言えず独特です。味はあまりないのですが、癖があります。やはり少し渋みがあるので、「ぬた」と呼ばれるにんにくの葉で作ったソースをかけていただきます。
この作り方は、朝鮮半島から朴さんという人が伝えたとされ、豆腐状のかしきりが残るのは高知県だけ。(高知県の中でも東部だけ)
あと数十年後、作り方を知った人たちがいなくなったら、かし豆腐はもはや文献の中にしか存在しない食べ物になるでしょう。
そう思うからこそ、今現在味わえることのありがたさを噛み締めているのです。
かし豆腐、この季節だけです。
高知県東部におこしの際は、ぜひ産直市場を覗いてみてくださいね。
ランドセル
2013.11.7
こんにちは、トモです。
最近お買い物へ出掛けると、お店でランドセルを見かけるようになりました。
軽く、大きめのファイルも曲げなくて済むよう改善されており、疲れや背中のムレも軽減されるよう沢山の工夫も施されています。
子どもにとってランドセルは憧れですよね。
お兄ちゃんやお姉ちゃんがランドセルを買いに行くと、下の子も一緒になって背負ってみたり。
そんな光景もよく見かけます(^-^)
我が家の子ども達もお店で並んでいるのを見かけると、あれもこれもと試しに背負っていました。
今、我が家では3個のランドセルが活躍中。
やっぱり長男のランドセルを買いに行った時の思い出が1番強く残っています。
普段、洋服や靴にこだわりがなく、ランドセルも「黒にしたら?」と言われれば、「黒にする」と言っていた長男。
いざ買いに行くと目が輝き、あれやこれや試着し始め、全身鏡で確認。悩んで悩んで選んだ物は渋い茶色でした。
相当嬉しかったようで、ランドセルが入った箱もしばらく大事にしていました。
いつも小さいと感じていた子がランドセルを背負ってるのを見ると、一気に大きくなったような印象を受けます。
と同時に少し寂しくなりました。
初めて1人で登校する日、後ろから見るとランドセルに隠れてしまうような長男を、いつまでもいつまでも見送りました。
登校3日目くらいになると、私の長ーい見送りに嫌な顔をしてましたが(;´Д`A
それも成長なんですけど、やっぱり寂しさや心配が強く出てしまいましたね。
あの後ろ姿は今でも焼き付いています。
娘のランドセルを買う時は大変だったことを覚えています。
「絶対オレンジ!」と言う娘。
その前の年までよく見かけたのに、なぜか娘の買う時にはオレンジが無いのです。
「今年はオレンジの生産入荷予定が無いです」と言われガックリ。オーダーメイドを提案してくれたお店もありましたが、そんな余裕もなく(^_^;)
ネットでは背負う事が出来ないし、実物の色が違う可能性など不安が拭いきれなかったので、高知県でランドセルを取り扱うお店に何件も電話で問い合わせしました。
そして1件、在庫が残っていますよ!と言ってくれたお店がありました。
そのお店は家から車で1時間半以上。長い道のりではありましたが、ワクワクして本当に楽しいドライブでした。
あれから数年、ランドセルは沢山傷もついて、たまに放り投げられる事もありますが、子ども達が楽しい時や悔しい時いつも一緒です。
子ども達はランドセルを買いに行った時のあの嬉しさやワクワクはもう覚えてないかもしれないけれど、これからも沢山思い出を詰め込んで大事にしていってもらいたいです。
生り年の神秘
2013.11.3
こんにちは、アカネです。
前回の記事(高知オーガニックマーケット)に、ストローファームは畑を持っていて、いろんな果物の木も植えられている、という話を書きました。植えられている木の種類は、梅、栗、くるみ、スモモなど。(ちなみに高知ではスモモのことを“イクリ”と呼びます^^)
去年は梅をいただきました。もちろん農薬など一切なし!
そして、ストローファームの周りの畑や民家の庭では、今柿が生り盛り。
スーパーに行けば早生みかんが並んでいます。
秋といえば果物がおいしい季節。
でも、自然界では毎年豊作ってわけにはまいりません。木には生り年というのがあって、たくさん実った次の年には、実りが少なくなるものです。
ちなみに去年は柿もみかんも大豊作でした。特に甘柿というのは、ふつう消毒しなくては、ヘタのところから虫が入って、熟れるまでにほとんど落ちてしまいます。ところが去年はどういうわけか、我が家も周りも、どこも柿だらけ。遠くから見ると、照り柿色の花が咲き誇っているように見えました。
今年これだけ生ったんだから、来年はウチの柿は実らないだろうと思っていたら、まさにその通り。去年とは打って変わって、ほとんど実らなかった暗黒時代に逆戻りしています。
さて、この生り年。
実は、木によっては、単に「木の疲れ」だけでは説明できないケースもあるそうです。
ある旅行で、ネイチャーガイドさんからこんな話を聞きました。
―ブナの木の種にはほとんど実が入っていない。ブナは、たくさん種を落としてもほとんどが育たないことを知っている。そこで、ブナは上等の種を少し作り、あとは殻だけの中身の無い種を作る。それでブナという字は、「木+無=橅」と書く。
そして、ブナはもう一つ凄いことをする。
毎年種を落としていては、害虫や種を食べる動物が増えてしまう。そこでブナは、数年に一度大凶作を迎える。一本の樹だけがそうするんじゃない。森全体でそうするわけでもない。
ものすごく不思議なことだが、関東一帯ぐらいのとてつもなく広い範囲で、全てのブナが種をつけなくなる―。
すごい話ですよね。かたやDNAが解読できて、何万年前にどういう進化が起きたかや、将来なる病気のリスクがわかったりしている一方で、昔から身近な木に、まだまだ前人未到の秘密が隠されているなんて!
ちなみにブナは、森の主なんです。ブナは幼木の頃は日陰でもゆっくりと育ち、成長していく過程で、周りの寿命の短い木は枯れていきます。大きなブナの下では、やはり日陰でも育つ木々しか生えませんが、ブナの寿命は長いので、ブナ以外の木は日光に到達する前に枯れてしまうのです。
ですから、ブナの森というのは、森の最終形態なのです。いうなればラスボスです。
ネイチャーガイドさんが教えてくれたエピソード、まさに樹の王・ブナにふさわしい話だと思いませんか?
さて、木々の神秘に思いを馳せながら、今日もおいしい果物をいただいちゃいましょう*^-^*
子は親の鏡
2013.11.1
こんにちは、トモです。
窓を開けると家の中を吹き抜ける風がとても気持ち良く、秋の涼しさを一段と感じる事ができます。
日が落ちる時間が早くなり、夕飯の支度時にキレイな夕焼けが見えると、ついつい支度の手を止めて空の写真を撮ったり、外を眺めボーッとする時間が増えました。
やる事は沢山ありますが、ちょっとした気を抜く時間も大切にしたいとも思っています。
今日は私の好きな、そして育児をする上で大切にしている詩について書こうと思います。
ドロシー・ロー・ノルト著書の『子どもが育つ魔法の言葉』という本をご存知の方も沢山いらっしゃると思います。その本の中の『子は親の鏡』という詩。
数年前、皇太子殿下の誕生日の記者会見でも皇太子殿下が朗読され、とても有名になりました。
そして世界37ヶ国語に翻訳され沢山の人に読まれてきた詩です。
この詩が私はとても好きです。
その詩の中では親がしていることが子どもに直結していくということが書かれています。
私がこの言葉が好きなのは(私もこうして欲しかった)(こうしてもらえたら嬉しい)と小さな頃からそう願う気持ちがあったからかもしれません。
今、親として何ができるのか。
何を子どもと一緒に学んでいけるのか。
言葉や行動は時に薬となり、武器にもなる事。
自分にとっての当たり前と思っていたことが周りの人にとって、そして子どもにとって当たり前ではない事。
それを子育てしてきた中で沢山の気付きがあり、何度も何度もこの詩を読み返してきました。
育児関連だけでなく、様々な職場でもこの詩が活かされていると聞きます。上司から見た部下はこの詩でいう子どもなんだそうです。
良い職場環境や上下関係をつくる上で、大切にしていくべき事なのでしょう。
しかし全て絶対こうしなければいけない、とは思いません。
育児には不安はつきもの。一緒に乗り越えていけたら不安に打勝つ力をもてるようになるかもしれない。
人間誰しもしんどくて広い心で接するのが難しい時もあるだろう。
正直に話すことは大切だけれど、親だって秘密にしたい事や優しい嘘も必要な時はあるだろう。
反面教師って言葉もあるしね。
と、私的に勝手に解釈する事も多いです。
張り切り過ぎたり、力が入り過ぎて疲れてしまっては毎日が楽しくなくなりますからσ(^_^;)
魔法の言葉を充分にはかけられないかもしれないけれど、詩の中で私の1番好きな最後の一文にあるように、和気あいあいとした家庭で育て、この世の中はいいところだと思えるようになって欲しい。